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2025年7月7日
「うちの猫、爪切りになると必ず逃げる…」
「怒って大暴れするから、毎回こっちが疲れる」。
そんな経験、あなたにもありませんか?
猫の爪切りは、飼い主にとって避けて通れないケアのひとつですが、嫌がる猫との“攻防戦”に悩んでいる方は少なくありません。
猫がなぜ爪切りを嫌がるのか、その理由を知ることは、無理のないケアにつなげる第一歩です。
本記事では、猫の本能や心理に寄り添いながら、ストレスを軽減する5つの工夫を具体的に紹介します。
愛猫と信頼関係を育みながら、安心してケアを続けるためのヒントをお届けします。
◆この記事を読んで分かること

猫が爪切りを嫌がる理由は、本能的な反応と過去の体験、そして周囲の環境に大きく関係しています。以下では、爪切りを嫌がる猫の気持ちを理解するための2つの視点から掘り下げてみましょう。
猫が爪切りを嫌がるのは、敵から身を守るための本能が働いているからです。爪は猫にとって、狩猟や防衛に欠かせないツール。その大切な「武器」を触られること自体が不快なのです。
特に猫は、手足を触れられることに強い警戒心を持つ動物です。肉球や爪の周辺は神経が集中している繊細な場所であり、コントロールされることで「拘束される」「逃げられない」といった不安感を覚えます。これが、爪切りを嫌がる行動として現れます。
また、野生時代の名残から「動けない状態」に強いストレスを感じやすく、抱えられること自体に抵抗を示す猫も少なくありません。飼い主との信頼関係が築けていない場合は、ますます警戒心が高まり、爪切りが難航する要因となります。
猫が過去に痛い思いをした経験があると、それが記憶として残り、次回以降の爪切りに対して強い拒否反応を示します。特に深く切りすぎて出血した経験や、不適切な道具でガリッと音が鳴るような感覚は猫にとって強いストレスとなることがあります。
さらに、飼い主の手際が悪かったり、時間が長すぎたりすると、不安や不快感が積み重なり、爪切り=嫌な体験という印象が強くなっていきます。こうした印象はなかなか払拭されず、繰り返すごとに抵抗が激しくなるケースも少なくありません。
猫に優しい爪切りを実践するには、こうした心理的背景を理解し、以下のようなポイントを意識することが大切です。
猫の立場に寄り添った爪切りができれば、次第に警戒心は薄れ、ストレスのないケアに近づいていきます

猫が爪切りを嫌がるとき、飼い主ができる工夫は意外と多くあります。この章では、日常のちょっとした工夫で猫のストレスをやわらげる方法を5つ紹介します。
爪切りは猫がリラックスしている時間帯に行うのが最善です。とくに食後や遊び終わった直後、眠そうなタイミングが狙い目です。
猫は興奮状態にあるとき、些細な刺激にも敏感になり、警戒心が高まります。逆に、うとうとしているときやくつろいでいる状態では、触れられても過剰に反応しにくくなります。
また、猫の性格や日頃の生活パターンに合わせることも重要です。朝型の猫か、夜に落ち着くタイプかを観察することで、「無理のないタイミング」を見つけられます。
日々の様子をよく見て、爪切りを“日常の延長”のように感じてもらうことが、ストレスを減らす第一歩になります。
猫が安心できる空間づくりは、爪切りの成否を左右します。 落ち着いた照明と静かな部屋を選び、必要な道具をすぐ使える位置に置いておくことで、猫を不安にさせずスムーズに行える可能性が高まります。
体勢については、猫が暴れにくい姿勢が理想です。たとえば、膝の上で軽くブランケットに包む、机の上でタオルを敷いて前足だけを出すといった方法があります。大切なのは「拘束」ではなく「安心感」を与えること。
押さえつけると余計に警戒されてしまうので、優しく支えるようにしましょう。猫が安心して身を任せてくれる環境こそ、ストレスの少ない爪切りにつながります。
爪切りは、適切な道具を使うことで大幅に成功率が上がります。 猫用の小型爪切りは、刃の切れ味が良く、爪をつぶさずにスパッと切れるのが特長です。
人間用や犬用を流用すると、爪に負担がかかり痛みや違和感につながる恐れがあります。また、補助アイテムとしては以下のようなものが有効です。
爪切り専用のグッズと合わせて使用することで、飼い主の不安も軽減され、猫も安全にケアされるようになります。
爪切りを「嫌な時間」ではなく「褒めてもらえる時間」と認識させることが大切です。そのためには、爪切り後にご褒美のおやつを与えたり、優しく声をかけたりするのが効果的。猫は飼い主の表情や声のトーンに敏感なので、笑顔で褒めるだけでも安心感につながります。
一度に全部の爪を切ろうとせず、1日1本、2本ずつ進める方法もおすすめです。負担なく成功体験を積むことで、徐々に警戒心が薄れ、「嫌なことじゃなかった」と記憶されるようになります。
日々のコミュニケーションが、爪切りのハードルを下げる重要な要素となります。
専門家の意見を取り入れることで、より安心して爪切りが行えるようになります。獣医師は爪の構造や猫の行動特性を熟知しており、「どのくらいの頻度が適切か」「どこまで切れば安全か」など、具体的な指針を教えてくれます。
また、万が一出血してしまった場合の対処法や、薬剤を使ったケアなども、獣医師の監修に基づいた方法を参考にすることで、間違いのない対策につながります。
愛猫の健康と安全を第一に考えたケアは、飼い主と猫の関係をより深く、穏やかなものにしてくれます。

猫が爪切りを嫌がる理由には、本能的な警戒心や過去の不快な経験、そして環境の影響が複雑に絡んでいます。だからこそ、飼い主側の理解と工夫が何より大切です。
今回紹介した5つのコツは、猫と飼い主双方がストレスを感じずにケアを進めるための、実践的なヒントです。タイミングや道具選び、声かけひとつで猫の反応は大きく変わりますし、習慣化によって「嫌な時間」が「ふつうの時間」に変わっていきます。
そして何より、日々のコミュニケーションが信頼関係を育む最大の鍵。爪切りはそのきっかけになります。まずは今日、猫の様子をじっくり観察してみませんか? どんな気持ちでいるのか、どんな環境なら落ち着けそうか。
そこから小さなケアの一歩を踏み出していきましょう。きっと、その積み重ねが、猫との暮らしをもっと優しく、心地よいものにしてくれますよ。